「使っているオフィスチェアがヘタってきた気がする…」
「値段に対してどのくらい長く使えるのか心配…」
「各パーツの寿命はどのくらいが目安なの?」
このようなお悩みを解決します。
オフィスチェアは在宅ワーカーにとって、健康や快適な仕事環境を支える重要なアイテムです。
しかし、オフィスチェアの寿命に関する明確な基準がないため、どのタイミングで買い替えるべきか、または長く使うにはどうすればいいのか、判断に迷っている方は多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、50脚以上の高機能チェアを試してきた僕が、以下の内容を解説します◎
- オフィスチェアの寿命の目安
- 各パーツの一般的な寿命
- 保証が短くても長寿命が見込めるオフィスチェア
- 寿命に自信をもっているオフィスチェアメーカー
本記事を最後まで読めば、オフィスチェアの寿命に対する考え方が整理され、自分にあった一脚を選ぶ一助となるでしょう。
オフィスチェアの寿命の目安
オフィスチェアには明確な寿命はありません。そのため、どのくらい使えるのかは各自で判断していく必要があります。
ここでは、判断の基準となる考え方について整理していきます。
- オフィスチェアの寿命の考え方
- 寿命と保証期間の違い
それぞれ詳しく見ていきましょう。
1.オフィスチェアの寿命の考え方
オフィスチェアの寿命は、JOIFA(日本オフィス家具協会)が定義する標準使用期間を目安に考えるとよいでしょう。
一定の条件下のもと安心、安全(重大事故の発生の恐れはない状態)に使える期間のこと。
検証時の環境や条件は以下の通りです。
- 負荷条件:体重70kg
- 使用想定:使用日数250日/年
- 使用時間:8時間/日
- 着座回数:25回/日
1日中、椅子に座って仕事をするような在宅ワーカーはより厳しい環境になるため、寿命を迎えるまでの期間は短くなります。
一方で、平日の夜や週末に使うくらいであれば、標準使用期間よりも長く使える可能性が高いです。
このように、人によって劣化具合が異なることを前提に、適切な使用期間を考える必要があります◎
ただし、ヘタりによる機能の低下や本当に使えなくなるまでの期間をメーカー側が定義するのは困難です。使用環境はさまざまで、使える・使えないの判断軸も人によって違いがあるからです。
違和感を感じるようになったら標準使用期間と照らしあわせて、メンテナンスの依頼や部品交換、買い替えを検討しましょう。
2.寿命と保証期間の違い
保証期間とは、メーカー側が通常では故障が起こりえない期間と定めたものです。
長ければメーカーが自社商品に自信を持っている証拠であり、寿命も長い傾向があります。
しかし、保証期間が短いからといって、寿命も短いとはいえません…!
メーカーによって保証の範囲や設定基準が異なるからです。
具体例を以下にまとめたので参考にしてください。
製品名 | 保証期間 | 備考 |
---|---|---|
オカムラ シルフィー | 8年(構造体) 2年(機構部・可動部) 1年(外観・表面仕上) | JOIFA標準使用期間に準拠 |
コクヨ イング | 3年(構造体) 2年(機構部・可動部) 1年(外観・表面仕上) | JOIFAに準拠しているが3年の設定 |
オフィスコム YS-1 | 1年(一般的な使用範囲での不具合) ※会員登録で2年 | JOIFAの会員企業だが1~2年の設定 |
たとえば、オカムラが製造しているシルフィーは、構造体に対してJOIFA(日本オフィス家具協会)の標準使用期間である8年を保証期間としています。
一方で、コクヨのイングはJOIFAに準拠していると記載されているものの、保証期間は3年(構造体)に設定されています。とはいえ、クオリティの面から3年を過ぎて著しく劣化するとは考えにくいでしょう。
さらに安価なオフィスコムYS-1では通常1年(会員登録で2年)の保証ですが、実際はさらに数年は問題なく使える可能性が高いでしょう。
また、多くのメーカーは一般のオフィス業務での利用を想定しています。24時間、年中無休で誰かが利用している状態は想定していない点に注意が必要です。
保証期間は万が一壊れたときのための保険であり、寿命とは直接的な関係性はありません。
椅子の価格にも反映される点も考慮し、自分にあった保証内容なのかを考える必要があります。
良い一脚を長く使いたい人は、保証期間を重視するのもひとつの選択肢でしょう◎
オフィスチェアの各パーツの一般的な寿命
オフィスチェアはパーツによって寿命が異なります。
そこでここでは、以下のおもな部位について解説します。
- 構造体
- ガスシリンダー
- メッシュや布(ファブリック)・ウレタンクッション
順番に見ていきましょう。
1.構造体
構造体は、JOIFA(日本オフィス家具協会)の標準使用期間に基づいて約8年が目安になっています。
一方で、各メーカーの保証期間は3年~12年とさまざまです。
材料の特性から考えて、アルミ合金を採用しているチェアは耐久性が高く、ナイロン樹脂は金属よりも劣化しやすい性質があります。
アルミ合金は見た目も良いため、部屋に置いたときの雰囲気やコストとのバランスを考慮してどちらを選ぶかを決めましょう◎
2.ガスシリンダー
ガスシリンダーは、JOIFA(日本オフィス家具協会)が定める標準使用期間の対象からは外れています。
明確にテストした事例はありませんが、一般的にガスシリンダーの寿命は、1日8時間使用で3~5年ほどといわれています。
実際、多くのオフィス家具メーカーが保証期間を2年(通常利用に限る)に設定していることから、妥当性のある数字といえるでしょう。
2~3万円ほどの安価な部類に入るオフィスチェアであれば、ガスシリンダーが壊れたら買い替えと考えていいかもしれません。
もちろん、使用頻度や体重、使い方によって寿命は大きく異なる点に注意が必要です◎
3.メッシュや布(ファブリック)・ウレタンクッション
張り地やクッションはオフィスチェアでひんぱんに体が触れる部分であり、劣化具合がはっきりわかります。
具体的には、以下のような状態の変化があらわれます。
- 摩耗
- ヘタリ
- 汚れ
一般的な利用でも、3~5年で劣化を感じる人が多いです。安価なオフィスチェアであればより顕著に傷みが進んだと感じるでしょう。
とはいえ、機能としては問題ないケースがほとんどでしょう。気になるのであれば、張り地や部品の交換対応をしているメーカーの椅子を選ぶのがおすすめです。
ただし、座面のウレタンクッションのヘタりやメッシュの伸びに関しては座り心地や姿勢にかかわる部分なので、違和感があるなら交換するのが賢明です◎
保証が短くても構造体が長持ちしやすいオフィスチェア2選
アルミボディが採用されているチェアは、ナイロン樹脂と比較すると長く使える傾向です。
ここでは長期保証ではなくても、長寿命が期待できるオフィスチェアを2つ紹介します。
- TOKIO OCV21
- MONSTER LUMBIRT(モンスターランバート)
それぞれ詳しく解説します。
1.TOKIO OCV21
商品名 | TOKIO OCV21 |
---|---|
背面 | メッシュ |
座面 | モールドウレタン |
座面の高さ | 44~54cm |
座面の奥行き (ランバーサポートの凸部~座面の先端) | 65cm |
座面の前後調節 | 左右の傾きも〇 |
ヘッドレスト | オプション |
ランバーサポート | 通常型・可動式 |
フットレスト | なし |
アームレストの調整機能 | 4方向 |
保証期間 | 最大3年 |
TOKIO OCVは、オフィス家具メーカーとして多数のチェアを製造している藤沢工業さんが開発・販売しているオフィスチェアです。
有名メーカーで構造体にアルミ合金を使っているオフィスチェアだと9~10万円を超えてきますが、OCV21は約5万円で買えてしまうのが魅力です◎
保証は3年間(主体構造物が対象)で、この価格帯としては充実しています。
外観はシンプルで、背面はファブリックを編み込んだメッシュ、座面は独自開発した体圧分散に優れるモールドウレタンを使っています。
機能面の詳細は以下の通りです。
- 座面の前後調整あり
- 4方向(上下・前後・角度・内外)に調整できるアームレスト
- 縦だけではなく横にも揺れるロッキング機能
- 横長で高さ調整可能なランバーサポート
とくに横に揺れる機能は珍しく、机で作業していて横方向に動くことの多い方は腰に負担がかかりにくいメリットがあります。
座面が四角く角ばっているため、体格が小さい人はもちろん、体の大きい人も安定して座れますよ◎
詳細なレビューは、関連動画「 【5万台これがベスト】座面が動くオフィスチェア「TOKIO OCV」を比較レビュー|オカムラシルフィー/勉強用・作業用 」にて解説しているので、ぜひ参考にしてください。
2.MONSTER LUMBIRT(モンスターランバート)
商品名 | EastForce MONSTER LUMBIRT |
---|---|
背面 | メッシュ |
座面 | メッシュ |
座面の高さ | 45.5~54.5cm |
座面の奥行き (ランバーサポートの凸部~座面の先端) | 45cm |
座面の前後調節 | なし |
ヘッドレスト | |
ランバーサポート | 3ゾーンランバーサポート | 独立型
フットレスト | クッション |
アームレストの調整機能 | (内外は360度回転できる) | 4方向
保証期間 | 1年 (有料で2年) |
モンスターランバートは、その名の通り怪物級のコストパフォーマンスをもつオフィスチェアです。
構造体にがっつりアルミ合金を使っているにも関わらず、6万円をギリギリ切る価格設定になっています。
保証は1年(故障や不具合が対象)で、+5,000円でさらに1年の延長保証を受けられます。
保証内容こそ高級チェアと比較すると見劣りしますが、構造物は遜色ない見た目と材質です。
価格を考慮すると十分な保証内容といえるでしょう◎
機能面では、とくにアームレストに注目です。ひじを置く部分が360°回せる仕様になっており、体にかなり近いところまで寄せられます。
詳細はぜひ「 【コスパ怪物】モンスターランバート!多機能1位オフィスチェア|MONSTER LUMBIRT vs Eastforce LUMBIRT3.0 」で確認してみてくださいね。
寿命に自信をもっているオフィスチェアメーカー4選
商品の寿命やアフターサービスに自信をもっているメーカーは保証期間を長く設定していると想定し、そういった思想を持っているメーカーを紹介します。
- ハーマンミラー
- スチールケース
- オカムラ
- COFO
自分にあった一脚をより長く使いたいという考えの人におすすめです。
ただし、保証が適用されるのは新品を公式サイトや正規代理店で購入した場合に限るので、この1点には注意してほしいです◎
それぞれ詳しく解説します。
1.ハーマンミラー
ハーマンミラー社のオフィスチェアは基本的に12年保証となっています(ガスシリンダーは2年保証)。
通常の方法で使用した場合に限るものの、他社と比較して保証の範囲が広いのが特徴的です。
ただし、公式ショップや正規代理店で購入した場合のみ適用される点に注意しましょう。
また、中古で購入した場合も保証の範囲外になるので、販売元の独自の保証をチェックしてください。
ハーマンミラー社でとくにおすすめのオフィスチェアは、セイルチェアとアーロンチェアです◎
セイルチェアに関しては「【シンプルで高機能】セイルチェアを徹底レビュー!良い点・気になる点やおすすめの人を紹介」で詳しく紹介しています。
アーロンチェアのレビューは「【絶対王者】アーロンチェアリマスタードの感想を正直レビュー!買って後悔しないための注意点も紹介」を参考にしてください。
アーロンチェアに関しては、単独で動画レビュー「 【アーロンチェアリマスタード】ハーマンミラーの最高級オフィスチェアが来た‼️【比較レビュー】 」もしているので、ぜひチェア選びの参考にしてください。
2.スチールケース
スチールケースも基本的に12年保証が適用されます。
公式サイトの表記がわかりにくかったため、ヘルプから詳細を問合せてみると以下画像の回答がありました。
可動部に対しては、ほかのメーカーよりも手厚い印象です◎
フレームなどの構造体には永久保証をつけており、自社の商品に自信と責任を持っていることが垣間見えます。
なお、スチールケースでおすすめの商品は、360°アームレストが特徴的な「Gesture(ジェスチャー)」という商品です◎
詳しい機能は「 【オカムラvsスチールケース】日本と海外の高級オフィスチェアを比較【シルフィー vs ジェスチャー】 」を参考にしてください。
3.オカムラ
日本メーカーであるオカムラは、構造体に対して8年保証をつけています。
また、塗装や張り地の摩耗は1年保証、機構部や可動部は2年保証となっています。
JOIFA(日本オフィス家具協会)にしっかり準拠しており、日本企業らしい対応が特徴的です◎
なお、オカムラのおすすめ商品は、シルフィーとコンテッサセコンダです。
シルフィーに関しては「【要注意】オカムラ・シルフィーを買うと後悔する人の3つの特徴!実際に使って感じた比較レビューも紹介」で詳しく解説しています。
コンテッサセコンダは、動画「 【コンテッサセコンダ】オカムラの最上位オフィスチェアを比較レビュー|比較対象:アーロンチェア・シルフィー 」で紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
4.COFO
COFOは販売しているオフィスチェアに対して、通常は3年保証となっています。
しかし、延長保証を選択可能(+5,000円で2年延長、+8,000円で5年延長)であり、ユーザーに選択肢を用意しています。
オカムラと同じ保証期間を、8,000円で追加できる点はうれしいポイントです。
なお、ラインナップはCOFO Chair PremiumとCOFO Chair Proの2種類で、延長保証は両方で追加できます。
安心して長く使いたい方は、延長保証料を込みにした値段で比較しましょう◎
COFO Chair PremiumとProの違いや詳細な仕様に関しては「 【COFO全て登場】 PremiumとProの違いを比較!新色ホワイト登場 」を参考にしてください。
買い替え前提なら寿命よりもコストを重視しよう
3~5年ほどで買い替えていきたい方は、寿命よりもコストパフォーマンスで選ぶのがおすすめです。
最近では、価格がお手頃でも機能性の高い椅子が多くリリースされています。
以下に価格帯別の記事を置いておくので、ぜひ参考にしてください◎
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なお、買い替え前提で購入するとしても、1万円台のオフィスチェアはおすすめできません。
詳しくは「【コスパの限界】1万円台のオフィスチェアはおすすめ?覚悟すべき3つのポイントを紹介」で解説しているので、とにかく購入費を抑えようとしていた方はチェックしておくのがおすすめです。
ぜひ本記事を参考に、自分がどのくらいの頻度で使うかにあわせて適切な価格帯のオフィスチェアを選択してくださいね◎